普段「コーヒーの生豆」を目にする機会は中々ないと思います。
焙煎する前の生の豆って白っぽい色で、良い香りなんて全くしないって、皆さんご存知でした?
今回はそんなコーヒー豆の焙煎のお話をしたいと思います。
豆の焙煎度合い
生のままでは味も香ばしさもなく、美味しくないコーヒー豆。
これを美味しく頂けるようにするには火で炒って「焙煎(ロースト)」を行う必要があります。
焙煎する事で豆の水分がなくなり、成分が変化してコーヒー独特のあの香りと味が生まれてくるんです。
さて、美味しいコーヒーを生み出す「焙煎」ですが、どれだけ炒るかで同じ豆でも味が変わってきます。
この「焙煎」の度合いは全部で8段階。
浅炒りとか深炒り…なんて言葉を聞いた事のある方もいらっしゃるでしょう。
焙煎の度合いはこんな感じになっています。
浅炒り | ライトロースト |
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シナモンロースト |
中炒り | ミディアムロースト |
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ハイロースト |
深炒り | シティロースト |
フルシティロースト |
フレンチロースト |
イタリアンロースト |
浅く炒ったのものほど「酸味」が強く、深く炒るほど「苦み」が強く感じられるようになるんですよ。
豆の焙煎度合い(浅煎り・深煎り)はどうやって決めているの?
コーヒーの味を決める焙煎。
じゃあ、どの豆をどれだけ炒るかの度合いは如何やって決めるの?
と、以前お客様に訊かれた事があります。
答えは…それぞれの豆の一番良い着地点を探すこと!
まずは中浅煎りで全体的な風味をみます。
豆によっては経過日数で風味が大幅に変化する場合もありますので、チェックは毎日欠かさずに1週間ほど続けます。
そこで、このまま中浅煎りでいくのか?それとも、浅煎り?中深煎り?深煎り?
どれでいくのか最終判断を下します。
それで最終判断を下した煎り方で焙煎しチェックします。
それでも納得しない場合は、また焙煎度合いを変えたり、火力(温度)や焙煎時間を微調整します。
また、豆の鮮度でもローストの度合いを変える事もあります。
お米でも新米と古米で水加減を変えるように、豆の鮮度によって非常に微妙にローストの度合いを調整しているんですよ。
お米でいう新米に当たるコーヒー豆のニュークロップ時と、数ヶ月経った後では、生豆に含まれる水分量が違うんです。
生豆に含まれる水分量が違えば、当然膨らみも弾きも違います。
年中一緒のローストでは豆への火の入り方が違ってきますので、微妙に変えます。
さらに生豆自体のそういう変化のみならず、日本特有の湿気(夏季)と乾燥(冬季)という、あまりにも両極端の季節が生豆の水分量を変化させますので、非常に気を使います。